九州大学大学院 総合理工学府 量子プロセス理工学専攻

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在学生の声

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吉武研究室 大曲 新矢

量子プロセスへ進学
 私は,有明高専専攻科で酸性雨による植物の被害をレーザセンシングで診断する研究に取り組んでいました.そこで実験や研究の面白さに気が付き,将来研究職に就きたいという夢を持つようになり,量子プロセス理工学の修士課程へ進学しました.外部から大学院に進学し,全く違う研究テーマをスタートさせることはとても勇気のいる決断でした.しかし今は博士後期課程にも進学し,量子プロセスへ入ってよかったと素直に感じています.

心から楽しむ研究活動
 現在私は,超ナノ微結晶ダイヤモンド (UNCD) 薄膜と呼ばれる新たなダイヤモンド系材料を扱った研究をしています.この材料は,ダイヤモンドとアモルファスカーボンの優れた特性を併せ持っており,膜表面が極めて滑らかで,可視から紫外領域において大きな光吸収係数を有するなど太陽電池の吸収層や紫外線センサーとしての応用が有望視されています.またUNCD膜は固体のカーボンを原料に作製が可能であり,安価でエコな素子が期待されます.革新的な太陽電池・センサーの実現に向かって研究する毎日です.
 研究では失敗することも多いですが,その反面いいデータが取れた時は何物にも変え難い達成感に満たされます.純粋に実験が楽しいのみならず,そのデータを整理して学会発表や論文投稿を行う活動すべてにおいて,研究の楽しさを満喫出来ている気がします.
 また量子プロセスの各研究室は実験設備や測定機器が豊富で,自分で作ったものをすぐに様々な手法で評価できるフットワーク力が整っています.学生が主体となって研究を行える魅力的な環境です.先生方も学生に真剣に向き合ってくれる一流の研究者で構成されていて,研究発表会は良い刺激と大きな収穫が得られる場となっています.
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進学を目指す方へ一言
 量子プロセスの修士課程学生の過半数は,他大学・高専専攻科出身で構成されています.修士から新たに研究をスタートさせたい人には最適な環境ではないでしょうか.多くの友達にも恵まれてプライベートでも充実した日々を過ごせます.また,量子プロセスでは様々な学術分野が融合して形成されているので,授業のカリキュラムも広く選択が可能です.
 これまで自分が専攻してきた学科の枠にとらわれることなく,充実した修士課程をスタートさせてみてはどうでしょうか.修士での“頑張り”が,その後の就職活動や進学を有利な道へと誘ってくれるでしょう.



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西田板倉研究室 渡邊 奈月

総合理工学府進学について
 私は、九州大学薬学部で学士を取得した後、総合理工学府量子プロセス専攻修士課程に進学し、現在博士課程に在籍しています。総合理工学府への進学を考えた理由は、学士のときに磁性の応用化学である分子磁石を研究して、磁性の奥深さを知るに当たり、磁性の本流でありながら未解明の部分が多く残る合金磁石を研究したいと強く考えたためです。そこで、合金磁石を長く研究している現在の研究室を受験することにしました。私が実感した量子プロセス専攻進学の利点は、直結する学部を持たないため、大半の学生が他大学あるいは高等専門学校から進学してくることです。授業のカリキュラム等はそのことを十分考慮されたもので、学んだ経験のない分野の科目も修得可能ですし、新しい友人関係を作ることに関しても他学府に比べると容易だったと思います。就職活動に関しては学校推薦が充実しており、努力次第で大手企業等への就職が可能です。一方、博士課程では多くの学生が日本学術振興会の特別研究員や他のプログラム(GCOE等)で経済的な支援を受けており、博士課程に進学しやすい環境が整えられていると感じます。
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研究および学生生活について
 現在は高保磁力Nd-Fe-B磁石の粒界構造に関する研究を行っています。主に電子顕微鏡で磁石の微細構造観察を行うことによって、保磁力発現に最適な粒界構造を探索しています。電気自動車などのモーターの高性能化にもつながる重要な研究ですが、現在の所属研究室の指導方針は学生の自主性を尊重するものであり、比較的自由に研究できます。面白いデータが取れたときはわくわくして嬉しいものです。また、研究以外にスポーツも盛んで、夕方には後輩たちがサッカーやソフトボールをしてリフレッシュしています。

量子プロセスへの進学を考える方へ一言
量子プロセス理工学専攻の環境は非常になじみやすいもので、面白みのある大学院生活を送ることができます。興味のある研究室にはオープンキャンパス等で一度訪問してみることを強くお勧めします。


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中島研究室 平山 佳奈

充実した研究生活
 私は、半導体デバイスのプロセス技術の研究しております。本研究室には200平米のクリーンルームにPVD等の多数の半導体デバイス作成装置があり、大変充実した設備の中で、実際にデバイスを試作・評価しております。この研究が完成した際には次世代の超高速・低消費電力LSIの実現が可能となり、そのインパクトは実用的観点からも極めて大きいことからやりがいを強く感じています。先生方は大変丁寧に指導して下さり、何と言っても第一線活躍されている研究者でいらしゃるので、その様子を目の当たりにし、科学・技術の進歩に携わる喜びを感じて、私は生涯に渡って研究活動を続けていきたいと考えるようになりました。今私は研究者としての基礎を学び、充実した生活を送っています。

量子プロセスへの進学
 私は学部時代には宮崎大学で、半導体デバイスの要素技術を研究する研究室に所属しておりました。しかし修士・博士課程と進むにあたり担当教員が退官されるということで、大学のホームページやパンフレットを調べて現在の研究テーマに興味を持ち、今の中島研究室を訪問しました。その際に先生や研究室の学生さんから研究内容について詳しく教えていただき、より一層興味を持ちました。また、研究室のフレンドリーな雰囲気が気に入りこの研究室に移ることを決めました。

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研究室訪問&オープンキャンパス参加の勧め
 少しでも興味のある研究室がありましたら、ぜひ一度研究室を訪問してみて下さい。複数の研究室を訪問し、一番自分に合った研究室を探すのが良いと思います。  オープンキャンパスでは、全ての研究室が受験を考えている学生さんのために解放されていますので、多くの研究室を一度に見て回ることができます。また研究室を訪問の際には、先生方だけでなく、研究室の学生さんにもいろいろ質問してみてください。実際にどんな研究生活になるか詳しくわかります。受験対策方法、就職のこと等も教えてくれると思います。

暮らしやすい筑紫キャンパス
 キャンパスは最寄りの駅から電車で天神まで25分、博多まで15分、福岡空港まで電車と地下鉄を乗り継いで40分程と大変便利な場所にあります。またキャンパス周辺には、コンビニや24時間スーパーがあって大変暮らしやすい環境です。


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菊池・奥村研究室 芝山 聖史

ブルー相について
私はブルー相という液晶相の研究に取り組んでいます。このブルー相は液晶でありながら光学的に等方的という興味深い特性を示します。従来わずか1℃程度の狭い温度範囲でしか発現しませんでしたが、2002年に菊池教授らが高分子により発現温度範囲を大幅に広げることに成功し、2008年にはサムスン電子がブルー相の液晶パネルの開発を発表して大変注目を浴びています。ブルー相を使うと、現在の液晶ディスプレイより応答速度が約100~1,000倍速くなり、残像感の無い液晶ディスプレイの実現が可能です。さらに光学的に等方的な液晶相であることから視野角が広く、セルの配向処理も不要なので省エネルギー・省コストで生産できる究極の液晶ディスプレイを実現できると期待されてます。またブルー相は可視域に存在するストップバンドを電場によって連続的に高速で変化できるチューナブルフォトニック液晶デバイスへの応用も期待されています。私の研究はこのブルー相の1 ℃程度の温度範囲を高分子を使わずに実用化レベルまで拡大することを目指しています。研究は分子設計から有機合成、物性評価に至るまでを自分で行います。まだ問題点は多いですが、少しでも良い結果が出た時は夜眠れないぐらい興奮して毎日楽しく取り組んでいます。

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量子プロセス進学と大学院での生活
私は、学部時代は龍谷大学で合成化学を学び、修士課程から量子プロセスに進学しました。この時、二つ心配な点がありました。一つは、量子プロセスには分子系・材料系・応用物理系・電気系の学生が集まっており、有機合成の研究室出身の私が物理や計算の授業についていけるかという点です。これは5月にあるオープンキャンパスで菊池研究室を見学した際に、専攻や分野の異なる学生でも基礎から学べる環境があることを知り解決しました。その時先生や先輩方の人柄や研究室の雰囲気の良さ、充実した設備環境に魅力を感じ進学を決意しました。二つ目は大阪で23年間生活していたということもあり、環境を変えることにかなり抵抗があった点です。福岡は行ったことのない場所で大学院での最初の半年の生活は授業についていくことや、自分の研究テーマについて理解を深めることに必死で、友達もほとんどおらず苦労しました。しかし、半年を過ぎると環境にも慣れて休日は博多や天神、山や海に遊びに行けるようになり、現在では他大学や社会人の友達もたくさんでき充実した毎日を送っています。

進学をされる方へ
量子プロセス理工学は世界最先端の研究に携われることができるので、世界で活躍できる研究者になるための環境が十分に整っていると思います。そして、ここで学んだこと努力したこと苦労したことは大きな財産となって自分に返ってきます。量子プロセスの研究に興味を抱いた方は是非一度オープンキャンパスに足を運ばれてはいかがでしょうか。

 

卒業生の声


mochiduki

富士ゼロックス(株) 画像形成材料開発本部  松木 敬子

 私は、東京理科大学卒業後、研究施設の整っている環境で最先端の研究を行いたいとの思いから、量子プロセス理工学専攻に入学しました。入学する前は、授業や研究生活についていけるのかとても不安もありました。しかし、実際、入学すると、量子プロセス理工学専攻は、電気・物理・化学など様々な専門出身の方々が集まっており、授業・研究を進めていく中で丁寧に指導してくださるので、とても勉強になりました。そして、先生方をはじめ、研究室の先輩・後輩・同期、スタッフの方々の支えがあり、研究生活を充実した内容の濃いものにすることができ、2年間を有意義に過ごすことが出来たと感じています。また、研究室には企業からの研究者や外国人留学生、社会人学生など様々な方々がいらっしゃるため、交流を深めることができ、大変、刺激を受けました。

 企業では、常に高い目標を持ち、問題意識を持って研究・技術開発を進めていくことが大切になります。今の職場ではより良い製品をつくるため、様々な課題に対して、部門間を越えて、連携して課題解決に取り組んでいます。私は、量子プロセス理工学専攻で、このような研究に対する姿勢や研究の進め方、考え方を学ぶことが出来ました。そして、広い視野をもって学び続ける姿勢を身につけ、仕事に生かしています。

 量子プロセス理工学専攻では、落ち着いた環境の中でしっかりと課題に向き合い、研究を進めていくことができ、多くのことを学び得ることができると思います。みなさんも、ぜひ一度、研究室を訪れてみてはいかがですか。


mochiduki

JSR(株) 四日市研究センター 望月 大剛

 私は龍谷大学を卒業した後、量子プロセス理工学専攻に入学しました。入学する前は、「知らない土地」、「新しい化学分野」、「初めて出会う人々」など未知の世界に飛び込んで行く事に不安を感じていましたが、いざ入ってみると教育システムが確立されており、化学の知識、研究の知識などを丁寧に教えていただけたため、不安もなくスムーズに研究に入っていけました。量子プロセスのスタッフは、しっかり人を育てるという意識を持たれていると実感しています。

 今社会人になって思うことは、研究は一人でやるものではなく、回りとコミュニケーションをとりながらやるもので、学生時代にスタッフを中心として多くの方々とコミュニケーションをはかりながら研究を進めていたことが、今非常に役立っていると実感しています。また企業は一つの研究を深く追い続けるというより、多岐にわたる分野での活躍を目指しているので、量子プロセスでB4の時とは異なる研究をして、化学の知識の幅が広がっていると、会社に順応しやすいと思います。

 また、筑紫キャンパスの立地は、交通の便が良い「博多」が近いので、遠方から来ていても帰省が苦になりません。また、九州一の繁華街「天神」も近いので、休みの日に良いリフレッシュにもなります。そういった意味でまさに至れりつくせりな立地ではないでしょうか。

mitani

日立化成工業(株) 筑波総合研究所 三谷 育恵

 私は九州大学農学部から量子プロセス理工学専攻に入学し修士課程の2年間を過ごしました。修士時代の研究では,新規な液晶分子の探索と評価を経験しました。学部まではバイオ系を中心に勉強してきたため,入学当初は理工学系の研究分野に関する知識が周囲に比べてかなり乏しい状態でした。

 しかし私は半導体や電池に代表されるような今の社会を支える上で必要不可欠な研究分野に対して興味を感じていたため,農学部から修士課程は理工学系に進学することを選択しました。特に,量子プロセス理工学専攻は電気系と材料系の研究室が構成されているため,自分の研究以外の研究分野についても幅広く知る機会に恵まれたと思っています。

 学生のうちに知識の幅を広げておいたことが,会社で研究開発に従事する上で非常に役立っていると現在実感しています。また修士時代の研究テーマについてはゼロからのスタートでしたが,壁を乗り越えつつ修論を纏め上げることが出来ました。会社の仕事では,学生の頃以上に新しく知識やノウハウを蓄え,また地道に経験を積むことが求められます。自分の知らないことや経験の及ばないことに対して前向きに取り組む姿勢は,学部時代の専門から離れて修士課程を過ごしたことで身に付いたものだと思います。

 企業の研究開発では理工学系やバイオ系などの垣根が急速に取り払われているのが現状です。学生時代に一つの専門分野を深めるだけでなく,分野を超えて勉強できる環境に身を置いて,本当に良かったと社会人となった今現在強く実感しています。


higashi

新日鐵化学(株) 機能化学材料事業部 東 若菜

 私は北九州高専の専攻科を修了後、量子プロセス理工学専攻に入学しました。高専では物質化学工学を専攻しており有機合成の研究室に在籍していました。大学院への進学を目指したのは、有機合成だけでなく物性評価に関する知識も身につけたいと考えたためです。

 受験にあたりまずホームページで各専攻の特徴を調べましたが、量子プロセスは物理的知識を要求される専攻だという印象をもっていました。物理が得意ではない私にとって敷居が高く感じられ、入学前は不安もたくさんありました。何より受験にあたって不安だったのは第一希望の研究室に入れなかったときのことです。量子プロセスは幅広い分野の研究を行っている一方、各専門の研究室は少ないと思います。第一希望の研究室に入れない場合、全く分野外の研究室に配属されるのでは…と不安に感じていました。結局、無事に希望する研究室に配属されることになりましたが、実際に大学院生活を送っていると、受験のときに自分が興味を持っていなかった研究室が非常におもしろい研究を行っていることを知り、受験前にそこまで不安に感じる必要はなかったなとも思いました。不安だった物理的知識も研究室の勉強会などで少しずつ身につけることができました。外部受験者にとって、殆どの学生が外部受験者である総理工の環境はとても良いと思います。出身がバラバラだからこそ自分の知らない分野に詳しい人もたくさんいます。

 もし受験に関して不安があるようでしたら、まずは研究室見学をされてみては如何でしょうか。

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