“No pressure, no diamonds.” – Thomas Carlyle
ごあいさつ
九大総理工・大瀧・末國研究室のwebサイトへようこそ。
私たちの研究室では、無機物質を中心とした新規機能性材料についての研究と教育を行っています。無機物質の誇る強靱で多様な物性バラエティを材料化学的立場から最大限に活用し、さらに有機分子の持つ優れた自己構築機能や選択的相互作用を協奏的に発現させることにより、熱電エネルギー変換、光エネルギー変換、情報記録などの高度な機能を持つ新しい無機材料の開発を進めています。なかでも電子や熱が特異な輸送特性を示す新しい酸化物系・硫化物系熱電変換材料や、量子サイズの低次元ナノ物質が自己集積した精緻なナノ超構造体などを対象に、「ナノ構造が産み出す特異物性と新規機能性無機材料の創出」をターゲットとした最先端の学術研究を基軸として、ひとりひとりの自主性を重んじつつ、主体的・自律的な行動力と思考力を涵養する人材育成を行っています。
大瀧・末國研究室について
大瀧・末國研究室は、2013年9月に大瀧が総合理工学府物質理工学専攻青木・大瀧研から量子プロセス理工学専攻へ昇任異動したのに伴い、大瀧研究室として同専攻の光機能材料工学大講座・無機光機能材料工学教育分野に設置されました。翌2014年5月には、准教授時代の居所であったC-Cubeから総理工本館C棟5階の現在の場所に移転し、2016年4月には末國晃一郎准教授が着任して、大瀧・末國研となりました。今の主たる専門分野は無機材料ですが、大瀧はもともとは有機・高分子畑の出身なので、研究内容は無機と有機、化学と物理にまたがっています。准教授として筋金入りの実験物理屋が加わり、研究の裾野はさらに拡がりつつあります。教員や学生の別を問わず、人と人との出会いを大切にし、多様性を尊重しつつ相互に切磋琢磨していける環境でありたいというのが大瀧・末國研究室の最大のポリシーです。失敗を恐れず新しいことにチャレンジでき、互いに協力しながらそれぞれが一層の高みを目指して自分の限界を拡大していける、物心の両面で充実した研究室生活を提供したいと考えています。
研究室の現況
本研究室は、総理工本館C棟の最上階である5階の西側半分(エレベータから見て廊下の奥側半分)を占めています。現時点では、501〜504室と519室、2階の201室が実験室、520室が学生居室、521室がカンファレンスルーム兼図書室、522室が准教授室、523室が教官研究室、524室が教授室となっています。居室が全て建物の南側に面しており、この方向に高い建物がないため、福岡市近郊の南側に向かってキャンパス内でも最高の眺望が広く開けているという特長があります。2022年10月現在の陣容は、教員2名、学生13+1名(博士後期課程2名、修士課程8名、学部4年生3名、博士課程学内研究学生1名)の計16名です。
研究室のポリシー
- 研究に人の上下はない。先生といえども正解を知らない。
- いつも基本に立ち戻って考えてみよう。
- ひとりひとりの自主性を尊重しつつ、主体的な行動力と思考力、そして論理性と科学的な洞察力の獲得に最も重きを置いた教育により、実社会で生き残れる人材を育成し、送り出す。
- 教職員や学生の別を問わず、人と人との出会いを大切にし、相互に切磋琢磨していける環境でありたい。
- 常にチャレンジし、たくさん失敗し、人や物事に深く思いを致し、よく笑い、とことん勉強してほしい。大瀧・末國研究室はそれを全力でサポートします。
沿革
- 1990(平成2)年4月 九州大学大学院総合理工学研究科 材料開発工学専攻 機能無機材料工学研究室(荒井研究室:荒井弘通教授、江口浩一助教授、町田正人助手)に大瀧倫卓助手が着任。荒井研究室は総理工本館C棟(当時の材料開発工学棟)の3階西側に位置しており、清山哲郎研の直接の後継研究室であった(化学センサのテーマは山添研が継承)。荒井研はその後、江口・佐々木研を経て、寺岡・永長研、さらに現在の永長・北條研に至っている。
- 1998(平成10)年4月 総合理工学研究科5専攻体制への改組により、材開棟からは山添研、荒井研(荒井教授は直前の1997年12月に死去)、吉永研が物質理工学専攻に、斎藤研、沖研、森永研が量子プロセス理工学専攻に所属することとなった。大瀧は、物質理工学専攻に新設された固体表面科学大講座 理論物質学教育分野(酒井研究室:酒井嘉子教授、大瀧倫卓助教授、茂木孝一助手)に昇任異動し大瀧グループが発足。当時の酒井研究室は総理工A棟110室、F棟201室、機能研(現・先導研)中央棟109室に分散して仮住まいであり、大瀧グループの部屋はF棟2階の201室ひと部屋であった。
- 1999(平成11)年4月 大瀧グループ修士課程第1期生2名配属。総勢3名。
- 2000(平成12)年4月 九州大学における学府・研究院制の施行により、総合理工学府 物質理工学専攻(九州大学大学院総合理工学研究院 物質科学部門)に改称。
- 2001(平成13)年4月 工学部エネルギー科学科卒論第1期生1名配属。総勢5名。この頃からF棟201室では収容しきれなくなり、一部学生は機能研中央棟109室へ入居。
- 2002(平成14)年1月 学際教育研究交流棟(現在の総合研究棟(C-Cube))設計開始。当初の名称はB棟だったが、その後の全面的な構想変更により総合研究棟として一から設計し直され、結果的にB棟は永久欠番となっている。
- 2002(平成14)年5月 先端科学技術共同研究センター(産学連携センターを経て現在はグローバルイノベーションセンター)3階実験室4をレンタルラボとして借り、一部の装置を移す。LFA-502レーザーフラッシュ装置は最初はここに入った。
- 2003(平成15)年3月 酒井嘉子教授定年退官。
- 2004(平成16)年3月 酒井教授の後任に青木百合子教授着任。総合研究棟(C-Cube)竣工。
- 2004(平成16)年4月 C-Cube4〜5階へ引っ越して、ばらばらの建物に分散した仮住まい状態からようやく脱却。学生数12名で過去最多。
- 2005(平成17)年8月 工学部が伊都キャンパスに移転開始。10月、伊都キャンパス開校。
- 2007(平成19)年4月 学校教育法の改定により、助教授から准教授に職名変更。研究室名が正式に青木・大瀧研となる。
- 2013(平成25)年4月 大学改革活性化制度によりエネルギー基盤技術国際教育研究センター設置。
- 2013(平成25)年9月 大瀧准教授が量子プロセス理工学専攻教授に昇任異動。専攻内では無機光機能材料工学教育分野(旧 森永研→桑原研)に着任。独立した講座として大瀧研究室が正式に発足。学生数5名、総勢6名。
- 2014(平成26)年4月 修士課程第16期生4名(物質理工学専攻1名、量子プロセス理工学専攻3名)、エネ科卒論第14期生3名配属。学生数10名。それまでの在籍学生と2013年8月の大学院一般選抜合格配属者までは物質理工学専攻に所属、2014年1月の二次募集合格配属者以降の学生は量子プロセス理工学専攻に所属となり、同じ研究室で同一学年内でも専攻が混在するという(おそらく前例のない)状態がしばらく続くことになる。
- 2014(平成26)年5月 現在の総理工本館C棟5階西側(元 斎藤研→筒井・藤田研の跡地)に研究室移転。
- 2014(平成26)年11月 エネルギー基盤技術国際教育研究センター助教として渡邊厚介助教が着任。
- 2015(平成27)年4月 修士課程第17期生5名、キャンパスアジア生1名、エネ科卒論第15期生3名配属。学生数14名で過去最多を更新、総勢16名。
- 2015(平成27)年6月 1年半もの紆余曲折の末、新webサイトをようやく公開。
- 2016(平成28)年3月 最後の物質理工学専攻所属学生が修士課程修了。
- 2016(平成28)年4月 末國晃一郎准教授が着任。研究室名が大瀧・末國研となる。修士課程第18期生4名、エネ科卒論第16期生2名配属。大瀧教授が量子プロセス理工学専攻主任を務める。
- 2017(平成29)年4月 博士後期課程3名(うち国費留学生1)、修士課程第19期生4名、エネ科卒論第17期生2名配属。大瀧教授がエネルギー基盤技術国際教育研究センター長に就任。また、本年度の専攻就職主担当教授を務める。
- 2018(平成30)年4月 博士後期課程3名(うち国費留学生2)、修士課程第20期生5名(うち国費留学生1)、エネ科卒論第18期生2名配属。学生数17名は過去最多。炭素資源国際教育研究センターとエネルギー基盤技術国際教育研究センターの統合に伴い、大瀧教授がグリーンテクノロジー研究教育センター長に就任。
- 2019(平成31)年4月 3月末に渡邊厚介助教が名古屋工業大学に転出。教員2名体制になる。修士課程第21期生4名、エネ科卒論第19期生3名配属。
- 2020(令和2)年4月 博士後期課程1名(国費留学生進学)、修士課程第22期生4名、エネ科卒論第20期生2名配属。COVID-19のため前年度末から多くの大学・学会関係行事が中止または延期。大瀧教授が量子プロセス理工学専攻主任(次年度改組予定のため、最後の現専攻主任)を務める。
- 2020(令和2)年10月 研究生1名が修士課程第22期生10月入学、研究生1名入学。
- 2021(令和3)年4月 総合理工学府改組により、5専攻体制から総合理工学専攻1専攻6メジャー体制に移行。新専攻でのメジャーは材料理工学、講座名は熱・電子機能物性理工学教育分野。修士課程第23期生4名、エネ科卒論第21期生2名配属。
- 2022(令和4)年4月 修士課程第24期生4名、エネ科卒論第22期生3名配属。10月IEI博士1名配属。
大瀧(・末國)研の学生数の推移。